建て替え中の仮住まい探しは大変?選択肢・費用相場・よくある疑問

2021.7.262023.9.12
家づくりがwakaru
建て替え中の仮住まい探しは大変?選択肢・費用相場・よくある疑問

「住宅を建て替えよう」と思ったときに、仮住まいをどうすれば良いかが気になり、悩む人は多くいるでしょう。人生に一度の経験となるであろうことから、「建て替え中の仮住まいはどのように探せば良いか」「仮住まいを確保する際には、いくらくらいかかるか」などの疑問を持つことは当然です。

そこで今回は、住宅の建て替えを検討している人に向けて、仮住まいの探し方と費用相場を解説します。長年住んできた住宅を建て替えし、新しい暮らしをスタートさせるための基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

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1.住宅の建て替えにおける仮住まい探しの大変なポイント

住宅の建て替えにおける仮住まい探しの大変なポイント

建て替えとは、現在居住している・していないを問わず住宅や古家を解体し、新しい住宅を建てることです。

現在居住している住宅を建て替えする際には、施工会社を探して見積もりの提案を受けて、建て替え契約を締結します。建て替え契約の締結後に仮住まいへと引越し、工事を開始する流れが一般的です。工事の終了後には仮住まいを退居して、元の住宅へと引越しします。

仮住まいには建て替え工事の開始する1週間前を目安に入居し、終了後1週間ほどで退居するのが一般的。仮住まいに居住する期間は工事の規模によって異なるものの、半年〜一年程度が目安と言えます。

では、仮住まい探しはいつから始めれば良いでしょうか。仮住まい探しは、下記のような理由によって難航するケースが多くあります。理想に近い仮住まいを確保するためには、一日でも早く、物件探しを始めることがおすすめです。

  • ●賃貸物件の多くは二年契約で、半年〜一年程度の契約には対応しないことも多い
  • ●ペットがいる場合、ペット可物件を探さなくてはならない
  • ●マンスリーマンションの多くは、単身世帯向けに設計されている

「ペット可」・「大人数向け」など仮住まいに求める条件が多いほど、物件探しに苦労する可能性は高いでしょう。

一時的とは言え、築年数が経過していたり通学や通勤の利便性が低かったりする住まいに居住することは、ストレスです。理想に近い住まいを確保するためには、極力早めに仮住まい探しを進めてください。

2.仮住まい先の選択肢|費用相場とメリット・デメリット

仮住まい先の選択肢|費用相場とメリット・デメリット

仮住まい先の選択肢は主に、賃貸物件・マンスリーマンション・夫もしくは妻の実家の3つです。

ここからは、3つの各選択肢ついて、必要な費用の相場とメリット・デメリットを紹介します。特徴を正しく把握して、自分自身や家族にとって望ましい仮住まい先を確保しましょう。

2-1.(1)賃貸物件を借りる

賃貸物件は比較的流通量が多いため、希望する生活エリア内の仮住まい先を探しやすい選択肢です。ただし、賃貸物件は初期費用がかさみやすく、金銭的な負担の重い選択肢にあたります。賃貸物件を選択する場合の費用の相場は、下記のような内容です。

費用項目 費用相場
敷金・礼金 約20万〜40万円
仲介手数料 約10万円
家賃 約10万円/月
火災・家財保険や鍵交換費などの諸費用 約2万円

上記のほか、賃貸物件から退居する際にはハウスクリーニング費用の支払いを求められるケースがあります。ハウスクリーニング費用は、約5万円が相場です。

賃貸物件を借りる場合のデメリットは、金銭的な負担以外にも考えられます。賃貸物件を借りる選択肢には以下のようなデメリットがあることを、頭に入れておきましょう。

賃貸物件を借りるデメリット
一戸建て以外の賃貸物件では、生活音に気を使う必要がある
ガスや水道、電気を自分自身で手続きする必要がある

一戸建て以外の賃貸物件を借りる場合、子どもを自由に遊ばせると下の階に音が響いて、トラブルにつながる恐れがあります。一戸建てと賃貸物件とは生活の勝手が異なることを子どもに説明し、近所トラブルを防ぐ配慮が必要です。

2-2.(2)マンスリーマンションを利用する

マンスリーマンションは通常の賃貸物件と比較して契約期間の自由度が高く、短期の利用に適した選択肢です。通常の賃貸物件のように敷金、礼金が請求されることのない物件が大半であるため、初期費用を節約できる可能性の高い選択肢にもあたります。

ただし、通常の賃貸物件と比較して割高な家賃が適用されるケースが多い点がデメリットです。そのため、期間を通して考えると、金銭的な負担が軽いとは言えません。マンスリーマンションを利用する場合の費用の相場は、下記のような内容です。

費用項目 費用相場
家賃 約6,000円〜/日
契約事務手数料 2万円

マンスリーマンションのファミリー向け物件は絶対数が少ないため、都心部で探す場合、20万円以上の家賃がかかることも多くあります。退居する際には、上記費用のほか約3万円の清掃費も必要です。

また、マンスリーマンションは家具・家電付きの物件が多く、大量の荷物を持ち込めないことがあります。荷物の置き場所を別途確保する場合、マンスリーマンション以外のコストも必要です。

その反面、マンスリーマンションを選択すると、電気やガス、水道の契約手続きを自分自身で行う必要がありません。マンスリーマンションの管理会社が手続きを済ませてくれるため、すぐに居住できる状態になった部屋へと入居できます。

2-3.(3)実家に居候する

夫もしくは妻の実家が近くにある場合、居候する方法も一案です。実家に居候する方法は高額な家賃や敷金・礼金・契約事務手数料が発生することがなく、金銭的な負担を抑えられるメリットがあります。

スペースの都合で家族全員が同じ場所で暮らすことは難しい場合には、下記のような選択肢も検討しましょう。

  • ●実家の近くに賃貸物件やマンスリーマンションを借りて、夫もしくは妻が住む
  • ●妻と夫がそれぞれの実家に居候し、どちらかが子どもを預かる

単身用の賃貸物件やマンスリーマンションはファミリー向けと比較し、探しやすい傾向があります。ファミリー向けと比較して家賃設定が安く、経済的な負担が軽い点もメリットです。ただし、一時的とは言え家族が分かれて暮らすことに、抵抗を感じる人もいるでしょう。家族の希望もふまえたうえで、後悔しない仮住まい先を考えてください。

3.建て替え中の仮住まいにおけるよくある疑問(Q&A)

住宅の建て替えは人生で何度も経験するイベントではないため、さまざまな疑問を持つことは当然です。

ここからは、建て替え中の仮住まいについて特によくある質問2つを取り上げて、回答を紹介します。仮住まいに関する不安を解消するためのヒントとして、参考にしてください。

3-1.新居でも使用したい家具・家電は建て替え中どうする?

仮住まいで使用しない家具・家電は、荷物預かりサービス・トランクルームなどを利用し、一時的に預けましょう。

荷物預かりサービス 引越し業者が引越し作業とセットで提供するサービス
預けた後、荷物を自由に出し入れすることは不可能
トランクルーム 月額料金で希望の期間、収納スペースを借りるサービス
宅配型のトランクルームを活用すれば、郵送で荷物を預けることが可能

荷物預かりサービス・トランクルームは、特徴が異なります。それぞれの特徴を把握したうえで、望ましいサービスを選んでください。

3-2.建て替え中は住民票を異動するべき?

通常の引越しの場合は転居から二週間以内に転入手続きを済ませて、住民票を異動する必要があります。仮住まいに引っ越す場合、居住期間が一年を超えない限り住民票の異動は不要です。

ただし、住民票を異動しなければ、免許証や保険証などに関する通知が元の住宅に届きます。仮住まいで郵便物を受け取るためには、郵便局に行き、郵便物の転送手続きを行ってください。仮住まいから元の住宅に戻る際には再び転送手続きを行って、郵便物の受け取り先を変更します。

まとめ

住宅の建て替えを検討している人に向けて、仮住まいの探し方や選択肢を紹介しました。仮住まい探しは非常に大変な作業であるため、極力早めに動き、準備を怠らないように注意しましょう。

なお、住宅の建て替え工事は天候や時期の影響を受けやすく、工期が遅れることもあります。仮住まい探しでは、工期が遅れた場合も柔軟に対応してくれるところを見つけると安心です。

仮住まい先の代表的な選択肢には、賃貸物件やマンスリーマンション、夫もしくは妻の実家などがあげられます。いずれの選択肢にもメリットとデメリットがあるため、家族の希望をふまえた上で、後悔しない仮住まい先を探すことが大切です。