注文住宅の間取りの決め方

2020.7.302023.9.12
家づくりがwakaru
注文住宅と設計図

注文住宅は、住宅の設備や間取りなどの設計を自由に考えられるという利点があります。 しかし自由だからこそ、何を基準に考えたら良いか、どこから始めたら良いか悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。 自分たちのライフスタイルにあっているのか、快適に過ごすことができるのか、家事動線や生活動線はどうか、といった暮らしの目線、あるいは換気や採光、制震耐震などの性能面、そして設備や仕様のデザイン面など、気になる点をあげればきりがありません。 注文住宅の成功例は数多くあり、すべてを調べるには膨大な時間が必要となります。 そこで、間取りを決める際に注意すべき点と暮らしてみて分かった間取りの失敗パターンをポイントごとにまとめて紹介しますので、ぜひ住まいづくりの参考にしてください。

注文住宅の間取りを決める前に、条件を整理する

・土地の広さや形

注文住宅の間取りには、土地の形や広さが大きく影響することをご存知でしょうか。理想の間取りを考える際は、土地の広さや形も考慮するようにしましょう。

・家族構成

家族構成によって必要な部屋数は異なることも忘れてはいけません。4人~5人家族の場合、リビングダイニングといった家族が集まる場所はある程度の広さが必要になります。一番広くしたいメインルームを基準に間取りを考えると、残りのスペースに洋室を配置して・・・と、イメージしやすいかもしれません。

・生活動線や収納量

ライフスタイルにあう生活動線かどうかを考えるには、シミュレーションが効果的です。日々の生活を振り返って、不便に感じていることを書き留めて、住宅展示場に足を運んで確かめてみましょう。 特に家具や家電の配置が生活動線の邪魔にならないかをよく検証することが大切です。また、家族構成や収納量ごとの収納スペースの確保は不可欠になりますので、こちらも忘れずに。

・家族の希望や優先順位

家族の成長に伴い、暮らし方は変化します。5年あるいは10年、20年先を見据えた間取りを考える必要があります。 長く満足できる生活を送るために、家族の希望を把握し、明確に優先順位をつけましょう。 

注文住宅の間取りを決める際の場所別ポイントは?

注文住宅の階段

・玄関と階段

玄関と階段の配置は注文住宅の間取りを考えるうえで重要なポイントです。 玄関の位置を決めたら、生活動線にあわせて階段を配置しましょう。リビング階段にするのかオープン階段にするのかをイメージできれば、間取り全体の構成が決まっていくといえるでしょう。

・生活動線

生活をするうえで、住宅内の空間別に必要不可欠な設備がいくつか存在します。 リビングやキッチン、水回り、階段、収納などの動線が上手く機能しないと、快適な生活を送ることが難しくなるので、特に配慮が必要になります。 土地の広さにもよりますが、近すぎずかつ遠すぎずの距離感が最適な空間を整える要素となります。

・風通しや採光

風通しや採光を考慮した間取りも非常に重要です。 リビングなど家族が生活をする空間は、風通しが良く日当たりの良い方位に設けるようにしましょう。 一方で、換気については窓の設置と換気システム設備で解決できます。 窓の配置で最もよいのは、北と南など対面にすることです。室内全体を効率的に換気できるため、リビングとキッチンが一体型であっても内部に臭いやホコリが溜まりづらい環境を整えることが可能です。

・水回り

水回りの間取りを決める際に注意したいポイントは「音」です。 水回りを2階に設置すると間取りによっては1階まで音が響くこともありますし、特に深夜に浴室を使用するご家族がいらっしゃる場合などには注意が必要でしょう。 なるべく水回りを1ヶ所に集中させることで、水回りの音の悩みは軽減されます。加えて水回りをまとめることで利便性の向上と配管工事のコストを抑えるというメリットもあります。

・寝室

寝室は毎日の疲れを癒す大切な場所ですので時間をかけて検討しましょう。水回りでも気を付けるポイントとして紹介した「音」の他に、日当たりや方位にも配慮が必要です。朝陽を浴びて目覚めたい方は日当たりの良い方位に、隣家の生活音や車の音などが気になる方は影響の少ない位置に配置するなどさまざまな視点で考えることが重要です。 間取り変更の自由度があまりない場合は、ベッドの向きや、収納スペースのレイアウトなどで工夫することも可能です。 また間取りの提案時に、寝室に設置したいドレッサーや収納、テレビの位置などを伝えておくとイメージを汲んだ間取り提案をしてもらえるので、なるべく詳しく伝えるようにするとよいでしょう。

・収納

部屋をスッキリ見せるために収納スペースの確保はとても大切です。収納スペースの間取りを考えるうえでのポイントは、収納数よりも使い勝手を考えることです。 数もスペースもあればあるだけいいだろうと考えて収納を増やすと不必要なものまで増えてしまうので、逆に暮らしにくい住まいになってしまいます。 収納したい場所と収納したいモノ、そしてそれをどう活用するかをしっかりとイメージしましょう。

注文住宅の間取りの失敗談

注文住宅の設計図

《広さの失敗例》

・「リビングが広すぎて使いづらい」 対策:広すぎるリビングの場合には間仕切りを作って広さを変えられるようにしておくとよいでしょう。 ・「洗面室が狭い。朝は込み合うのでいつも順番待ちです」 対策:まず家族構成や行動パターンを把握しておく必要があります。同時に使用することがある場合は洗面台を2つ設置したり、洗面所と脱衣所を分けるとよいでしょう。 ・「収納したいものとサイズが合わない」 対策:メインで収納するものを決めておき、可動棚にしておくと収納するものが変わった時でも片付けやすくなります。

《採光の失敗》

・「窓が多くて夏は暑く、冬は寒くなってしまった」 対策:断熱性能の高い窓を採用するほか、窓の数を必要以上に設置しないようしたり、スクリーンカーテン、オーニングなどで対応できるようにしましょう。 ・「採光のために窓を大きくしたが、隣家や通行人の視線が気になる」 対策:事前に隣家の窓の位置や通りからの目線を把握したうえで、目線が被らないように高い位置に窓を取り付けるなどの対策をするとよいでしょう。

収納式ダストボックス

《水回りの失敗》

・「キッチンのゴミ箱の置き場所が無い」 対策:「食器棚や冷蔵庫のスペースは考えていたけど、ゴミ箱の置き場所を考えていなかった」なんていうこともあるでしょう。分別できるゴミ箱が収納できる食器棚などもあるのでそれらを活用するのもよいでしょう。 ・「寝室とトイレを別の階に設置したので、夜中に起きてトイレに行く場合に危ない」 対策:2階建て以上の場合は、生活スペースと寝室のフロアにそれぞれトイレを設置することをおすすめします。1ヶ所にする場合は寝室とトイレは同じ階に設置し、音が気にならない配置にするとよいでしょう。 ・「浴室の窓の設置」 対策:浴室窓は、換気ができるのでカビ対策にはよいですが、外からシルエットが見えてしまう場合がありますので、周辺環境などを考慮し、窓の有無とサイズを決めるとよいでしょう。

《コンセントなどの電気配線の失敗》

・「コンセントが足りない。家具を置いたらコンセントが使えなくなった」 対策:まずは家具と家電をリストアップし、配置を決めておくことがポイントです。それと掃除機のコンセントを差す位置も決めてコンセントの場所を決めるようにしましょう。

まとめ

今回は注文住宅の間取りを決めるポイントと失敗例を紹介しました。 注文住宅の間取りを決める際には条件を整理することが第一歩となります。 失敗しないためにも家族のライフスタイルに合っているか、実際に住んでみたらどうなるかなどを想定しながら間取りを決めていく必要があります。 今回紹介した失敗例などを参考に、理想の間取りの住まいづくりをすすめていただければ幸いです。