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2021/4/08

コラム

建ぺい率・容積率とは?計算方法・注意点・広い家づくりのコツ

建ぺい率・容積率とは?計算方法・注意点・広い家づくりのコツ

土地を購入するにあたり、「建ぺい率・容積率は問題ないか」という内容を聞いて、初めて法的な制限の存在を知る人もいます。実際、建ぺい率や容積率は、住宅を建てるための土地を購入する前に必ずチェックが必要な項目の1つです。

当記事では、建ぺい率や容積率の定義や計算式、法的な制限について解説します。法的な制限を守りつつ理想の住まいを作るためのコツも紹介するため、土地探しから始めて住宅を建てたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.土地によって建てられる建物の大きさは定められている

土地によって建てられる建物の大きさは定められている

日本の土地にはさまざまな規制が適用されるため「広い土地ほど、広々とした注文住宅を建てられる」とは限りません。都市計画法は数ある規制の中でも特に重要な意味を持ち、建てられる注文住宅の広さや構造を左右する法律です。

都市計画法とは、地域の人々が快適に生活できる環境を整えるために、建設できる建物の種類や規模、土地の使い方などを制限する法律にあたります。 日本の土地は都市計画法によって都市計画区域・都市計画区域外・準都市計画区域の3個に分類され、さまざまな規制が適用される仕組みです。

都市計画区域の土地は、市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域の3個に分類されます。 市街化区域の土地は13個の用途地域のいずれかに分類され、建設できる建物の種類が制限されるルールです。

用途地域一覧
(1)第一種低層住居専用地域
(2)第二種低層住居専用地域
(3)第一種中高層住居専用地域
(4)第二種中高層住居専用地域
(5)第一種住居地域
(6)第二種住居地域
(7)準住居地域
(8)田園住居地域
(9)近隣商業地域
(10)商業地域
(11)準工業地域
(12)工業地域
(13)工業専用地域

(出典:国土交通省「土地利用計画制度パンフレット」)

用途地域は、いわゆる土地利用の方向性の色分けです。第一種低層住居専用地域は主に低層住宅を建てるための地域、近隣商業施設は地域の住民が日用品などを買い物するための地域など、都市計画に沿った土地利用の方向性が決まっています。

2.建ぺい率・容積率とは?それぞれの計算式と緩和条件

前述した13種類の用途地域は、「住居系」「商業系」「工業系」という3つの用途に大きく分類できます。そのうち住居系用途地域は、(1)第一種低層住居専用地域から(8)田園住居地域までの8個です。

8個の用途地域に建てられる建物の種類は、以下のように決まっています。

  第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 第一種住居専用地域 第二種住居専用地域 準住居地域 田園住居地域
住宅
店舗等 ×
事務所等 × ×
ホテル・旅館 × ×
工場・倉庫等 ×
公共施設・学校等

(出典:国土交通省「土地利用計画制度パンフレット」)
※×は、原則として建築不可
※△は、建物の種類や広さに制限あり

用途地域は、市区町村役場の窓口に行けば用途地域図を閲覧できます。一部の自治体ではインターネット上で用途地域を公開していることから、簡単に確認することも可能です。

ここからは、住宅系用途地域の建ぺい率・容積率の制限について、詳細を解説します。

2-1.【建ぺい率】土地の面積に対する「建物面積」の割合

建ぺい率とは、土地の面積に対する建築面積の割合です。建ぺい率は「建築面積÷敷地面積×100」で計算することができます。

用途地域ごとの建ぺい率の制限は、下記表の通りです。

  第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 第一種住居専用地域 第二種住居専用地域 準住居地域 田園住居地域
建ぺい率 30%~60% 50%
60%
80%
30%~60%
(出典:国土交通省「土地利用計画制度パンフレット」)

ただし、防火地域内にある・特定行政庁の指定する角地・指定建ぺい率の異なる2つ以上の区域にまたがる土地など特定の条件を満たすと、緩和条件が適用されるケースもあります。

「緩和条件が適用されるか」をはっきりと知りたい人は、不動産会社やハウスメーカー、市区町村の担当課に問い合わせ、詳細を確認しましょう。

2-2.【容積率】土地の面積に対する「延床面積」の割合

容積率とは、土地の面積に対する延床面積の割合です。容積率は「延床面積÷敷地面積×100」で計算することができます。

用途地域ごと容積率の制限は、下記表の通りです。

  第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 第一種住居専用地域 第二種住居専用地域 準住居地域 田園住居地域
容積率 50%
60%
80%
100%
150%
200%
100%
150%
200%
300%
400%
500%
50%
60%
80%
100%
150%
200%
(出典:国土交通省「土地利用計画制度パンフレット」)

容積率にも、「駐車場や駐輪場、地下室の一場は延床面積から除外できる」などの特例があります。容積率の特例を利用するためには細かい条件が伴うため、事前によく確認し、違法建築とならないように注意しましょう。

3.土地・建築物の制限に関する注意点

注文住宅を建てる際に注意すべきポイントは、建ぺい率・容積率以外にも非常に多く存在します。 たとえば、住居系用途地域などにおいて十分な日照を確保するための日影規制・道路や隣地に関わる採光・通風を保護するための斜線制限などが一例です。

日影規制・斜線制限に違反する住宅も「違法建築物」とみなされて建築すること自体ができなくなるため、注意しましょう。

●日影規制

日影規制は、冬至の日を基準として、隣接地からの敷地境界線から5mを超える範囲において、一定時間以上の日陰が生じないように建物の高さを規制する法律です。 建築基準法で設定された基準のほか、地方自治体ごとに定められた条例のルールが適用されるケースもあります。

●斜線規制

住宅地で重視される斜線規制は、北側斜線規制です。北側斜線規制では、住宅の北側に居住する人の日照を確保するため、住宅の屋根の勾配や高さが制限されます。 北側斜線規制を気にしなければならない人は、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域、中高層住居専用地域に住宅を建てる人です。 ただし、他の用途地域に住宅を建てる場合も日照権を巡るトラブルに発展するリスクがあるため、周囲の住宅・建物に配慮した設計を行うことをおすすめします。

4.定められた制限の中でより広く見せる家づくりのコツ3選

定められた制限の中でより広く見せる家づくりのコツ3選

「建ぺい率や容積率の制限を考えると、理想の住まいの実現は難しい」と悩む人もいるはずです。

法律を変えることはできないものの、主に緩和条件を上手に利用することで、理想の住まいに近付けることはできます。

最後に建ぺい率や容積率の緩和条件を利用した家づくりのコツの具体例を3つ紹介します。

4-1.(1)屋根裏収納・ロフトを作る

一定の条件を満たす屋根裏収納やロフトは、容積率の計算から除外することができます。容積率の計算から除外するための主な条件は、次のような内容です。

  • 天井高が1.4m以下である
  • 屋根裏収納やロフトの面積がそれらのある階の床面積の2分の1以下である
  • 固定されたはしごがない

屋根裏収納やロフトを作成することで収納スペースが増えるため、住まい全体をすっきり見せることができます。 読書空間や子どもの遊び場として活用することもでき、家族のための空間を作ることが可能です。

4-2.(2)吹き抜けを作る

吹き抜けはスペース確保につながるものではないものの、住まい全体を広く、開放的に見せることに貢献します。

吹き抜けを作ることで多くの日光を取り込むこともできるため、明るくてスタイリッシュな住まいに見せることも可能です。

住まいの中に地下室を設ける場合は床の一部に吹き抜けを作り、少しでも多くの日光を取り込む方法を採用しても良いでしょう。

4-3.(3)ビルトインガレージを作る

ビルトインガレージとは、シャッターやドアを設置して、1つの部屋のように作成された車庫のことです。建物の中に車庫を作成することから、インナーガレージとも呼ばれます。

ビルトインガレージにあたる部分の面積は、建築面積の5分の1を上限として建ぺい率の計算から除外できるルールがあるため、実質的な建物内部の面積を広げることが可能です。

まとめ

ここまで、都市計画法の用途地域と建てられる建物に関する規制、建ぺい率・容積率の計算式や制限について解説しました。住宅を建てる際には建ぺい率・容積率はもちろん、日影規制・斜線規制などのルールも意識し、家づくりを進めてください。

可能であれば、土地探しを始める前に各種規制に関する正しい知識を身に付け、条件に合うものを探すことが大切です。

家づくりは、一生に何度も経験することの少ないイベントとも言えます。だからこそ家族の希望を叶えるための事前調査を怠らず、建てたい住宅に適した土地を探しましょう。

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