吹抜けリビングのメリット・デメリットと対策方法を徹底解説!
- 2021.12.102023.9.12
- 家づくりがwakaru
2階、3階部分の床を取り払って部屋を縦に伸ばした吹抜けは、実際の床面積よりも広々とした印象が得られることで多くの支持を集めています。近年では、リビングとリビング階段を組み合わせた形の吹抜けも、家全体を1つの大きな空間として演出できるとして人気の間取りです。
当記事では、吹抜けの概要とリビングに吹抜けを取り入れることで得られるメリットを解説します。吹抜けリビングのデメリットとその対策方法も紹介するため、住宅の設計に吹抜けの導入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
1.「吹抜け」とは一体どんなスタイル?
「吹抜け」とは、部屋の一部、または全部の天井を作らず、建物の2階層以上を縦につなげた間取りのことを指します。通常の間取りよりも天井が高くなることで開放感があり、高い位置に窓を設置することで採光力も上がることが特徴です。
大型商用施設やホテル、マンションのエントランスなどに広く採用されているほか、隣家との距離が取りにくい都市部でも、十分な採光が望めるとして高い需要があります。主にリビングや階段・玄関部分で取り入れられることが多く、おしゃれな住宅デザインとしても人気がある間取りです。
また、吹抜けと良く似た間取りに「高天井」があります。高天井は通常の部屋よりも高い位置に天井を設けるデザインです。吹抜けほどではないものの、開放感や採光力に優れており、上階部分をロフトなどに活用することもできます。
2.リビングに吹抜けを取り入れるメリット4選
吹抜けは、リビング・階段・玄関・キッチンなど、さまざまな場所に設置することが可能です。中でも、リビングとリビング階段を組み合わせたリビング吹抜けは、デザイン性の高さも大きな魅力となり、住宅の吹抜けとして大人気の間取りスタイルとなっています。
ここでは、リビング吹抜けが持つメリットをより詳しく解説します。
2-1.採光面に優れており明るさを確保できる
採光面に優れたデザインを取り入れることで、リビングの明るさを確保できることが吹抜けの持つメリットの1つと言えます。
吹抜けスタイルの間取りでは、2階部分の壁にも窓を設置するデザインが一般的です。単純に窓の面積が2倍になるだけでなく、高さがあることで太陽位置の変化や、周囲の建物からの影響を受けにくくなります。
また、吹抜けの上部に窓を設置することで、部屋の奥まで自然の光が届きやすくなり、部屋全体の明るさを確保することが可能です。住宅の最上階まで吹き抜けにする場合は、天窓を作ると季節や時間の影響を最小限に留めて、より多くの外光を取り込めるでしょう。
2-2.開放的となり広さを感じられる
リビングに吹抜けを設けることで開放的な空間を演出でき、実際の間取りよりも広さを感じられることは大きなメリットです。
1階部分の天井を取り払い、2階、3階と視線が通るようになると、リビング自体に広いスペースを確保できなくても圧迫感や閉塞感を感じにくくなります。また、リビングと階段がつながり、2階の廊下とも一体化することで風や声の通りも良くなるため、視覚だけでなく感覚的な広さも得られるでしょう。
2-3.風通しが良くなる
窓の配置を工夫することで風通しの良さを確保できることも、リビング吹抜けのメリットです。
暖かい空気は上へと移動する性質があります。1階と2階部分にそれぞれ窓を設置すれば、暖められた空気が上の窓から逃げることで下の窓から新しい空気を取り込むため、自然な換気を促すことが可能です。
夏場は自然な涼しさを得やすく、冬場は少ないストーブで多くの部屋を暖めることもできます。シーリングファンと併用すれば、さらにまんべんなく部屋の空気を循環でき、快適な住環境を実現しやすくなるでしょう。
2-4.家族とのコミュニケーションがとりやすくなる
家族と程良い距離感を保ちながらコミュニケーションを取りやすくなることは、リビング吹抜けのメリットです。
リビングと階段を一体化させた吹抜けの場合、リビングを中心として家全体が緩やかにつながった空間を演出できます。1階と2階で分かれて行動していても会話が成立しやすいことで、家族同士の距離感も縮まりやすくなるでしょう。
住宅によっては、階段の踊り場や2階の廊下に簡易の書斎や勉強スペース、スキップフロアなどを設けるケースもあります。
3.吹抜けリビングの4つのデメリット|デメリットの対策方法も
吹抜けリビングには多くのメリットがある反面、デメリットがあることも否定できません。住宅を購入する際には、間取りのデメリットもしっかりと理解し、対策した上で長く住めるデザインを選択することが重要です。
ここでは、吹抜けリビングの持つデメリット4つと、各デメリットの対策方法を解説します。
3-1.2階部分の床面積がやや削られる
吹抜けを作ることによって発生するもっとも大きなデメリットが、2階として使用できる床面積が減ってしまうことです。吹抜けは2階部分のスペースをリビングと一体化させるデザインのため、このデメリットだけは避けることができません。
【対策方法】
- ● 吹抜けにする部分を狭くする
- ● スキップフロアを作る
- ● 階段下を勉強スペースにする
また、スケルトンタイプの階段を採用した場合、階段下の収納スペースを設置しづらい点にも注意が必要です。スキップフロアなどは、吹抜けのメリットを生かしつつ、利用できる空間を確保する手段として相性が良い方法と言えるでしょう。
3-2.熱効率が悪くなる可能性がある
通常よりも空間を広く確保する吹抜けリビングでは、住宅の熱効率が悪くなりやすいことがデメリットの1つです。暖かい空気は上に溜まる性質があるため、縦長の空間となる吹抜けは「夏は暑くて冬は寒い」という事態を起こしかねません。
【対策方法】
- ● 断熱性にこだわる
- ● 高性能のエアコンを設置する
- ● 床暖房を設置する
- ● シーリングファンを取り付ける
- ● サーキュレーターを使用する
- ● 2階の窓にブラインドを取り付ける
- ● 窓やブラインドを電動式にする
近年は、断熱性にこだわって設計された「高気密断熱住宅」タイプの家も増えています。機能性に優れた断熱材や窓を使用した上で、冷暖房を上手に使えば暑さ・寒さ問題は対策可能です。ただし、冷暖房などの使用によって光熱費が高くなる傾向があることも覚えておきましょう。
3-3.掃除・メンテナンスが大変になる
吹抜けにすると、掃除やメンテナンスに手間やお金がかかることが、デメリットの1つに挙げられます。特に、2階部分に設置した照明やシーリングファン、エアコン、窓などの手入れは負担になりやすい傾向です。
【対策方法】
- ● 「はしごなどを使えば手が届く範囲」に留める
- ● 掃除用のベランダや通路を設ける
- ● 電動で昇降できるタイプを採用する
- ● 結露に強い窓を採用する
- ● 業者に依頼する
ほこりや結露を放置すると汚れが目立ったり、カビが繁殖したりするため、自分で手入れする場合は事前に対策を練らなければなりません。業者に依頼する場合は、その分の料金が発生することにも注意が必要です。
3-4.音やにおいが広がりやすくなる
空間に仕切りがない吹抜けでは、1つの部屋で出した音やにおいが全ての部屋へ広がりやすいことも、デメリットに数えられるでしょう。家族間で就寝時間が異なると生活音などが気になったり、料理の香りが暖かい空気とともに上階に溜まったりする傾向です。
【対策方法】
- ● 寝室は吹抜けから離れた場所に設置する
- ● 部屋ごとの防音性を高める
- ● キッチンを半個室にする
- ● 調理中はしっかりと換気する
吹抜けのメリットである開放感やコミュニケーションの取りやすさを保つためには、ある程度の妥協や工夫・手間も必要となります。家族間で良く話し合い、お互いのプライバシーに配慮して生活することが大切です。
まとめ
吹抜けリビングは、採光面や開放感をはじめとしてあらゆる魅力があるものの、設計時に注意しておくべき点もいくつか存在します。住宅を選ぶ際は、実際に生活する状況を明確にイメージした上で、自分たちの生活スタイルに合ったデザインへ決めることが大切です。
暮らし始めてから後悔しないためには、正しい知識のある不動産会社・建設会社に相談することをおすすめします。千葉県・東京都・埼玉県で、吹抜けのあるおしゃれな住宅を希望する人は、ぜひ「広島建設」へご相談ください。
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